巫女と贄

2/13

837人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
サァア… 風で白いカーテンが揺れる。 その風はベットまで届き、一人の少女の髪を揺らした。 「ん…んん…」 そのベットの上の少女、スズランが目を覚ました。 「ここは…」 体を起こして周りを見る。 白い壁。白い机に、自分のいる見慣れない白いベット。 白。白。白。白。白。白。白。 「わっ…」 着ている服も真っ白なドレス。 ドレスと同じフリルのついた白の手袋と白い靴下、そして靴。 服装が全て変わっていた。 「何か…凄い…」 「目が覚めましたか?軍人さん?」 声のしたほうに振り向く。 そこには部屋の色とは真逆の服と髪…そして瞳をした男性が窓際の椅子に座っていた。 「あ、あの時の!」 座っていたのはスズランが自分の家に戻った時に会った男性だった。 「また会いましたね、軍人さん」 にこりと笑うその笑顔から感じる違和感も会った時とそのままで…再びスズランの前にその姿を現した。
/355ページ

最初のコメントを投稿しよう!

837人が本棚に入れています
本棚に追加