巫女と贄

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-菜の花島- 「ぐ…う…!」 隊舎だったはずの瓦礫をどかし、一人の人物が立ち上がる。 「何とかなったか…」 立ち上がったのはレイン。 敵の術をかわし、瓦礫の下敷きになりながらも生き延びていた。 「『静流』を使わなければ死んでいたな…余り使いたくはなかったが仕方ない…」 そう呟きレインは周りを見渡す。 隊舎の面影は無く、あるのは瓦礫の山と花の散った木だけ。 幸せな日常の舞台は完全に無くなっていた。 「他の皆はどこに…『レーヴァテイン』!」 名前を呼ぶと共にレーヴァテインに魔力が伝わる。 「はああああ!!」 レーヴァテインを横に薙ぎ、魔力に任せて瓦礫を吹き飛ばす。 しかし、他の皆の姿はどこにも無かった。 「いない…(ヴィソーヴニルの話通りなら私と同じように瓦礫の下敷きになっていると思ったのだが…)」 レインは辺りを見渡しながら歩き出した。
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