837人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
「(レイン…さん…)」
エリスは辛そうにレインの放った会話術に答える。
「(まさか…ずっとこれを…!)」
これ、とはエリスが今やっている術のことだ。
倒れているルナとライズ。そしてその二人とエリス自身を包み込む水の防壁。
「(エリス!これを解け!
術が解けたと同時にお前と一緒に二人も地上にあげる!)」
「(はい…すみません…もう…限界…です…)」
その言葉とともに水の防壁が解け、三人は海の中に入る。
「(『静流』発動!)」
「ん…ん…」
むくりと起き上がるルナ。
まず視界に入ったのは心配そうにしていたレインだった。
「気付きましたか?」
「レイン…あれ?私助かって…」
「ライズも無事ですよ、エリスのおかげで…」
レインの視線の先に目を向けると、意識を失っているエリスとエリスに付いているライズがいた。
「あ~…皆無事か~…よかった~…ってスズランちゃんは?」
「…!」
レインは辛そうにルナから目を逸らした。
最初のコメントを投稿しよう!