巫女と贄

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「ここを襲ったヴィソーヴニルは、三年前死んだと思われていた者です…」 レインがそう言うと、ライズは何かを思い出したのか、あ、と声を漏らした。 「ヴィソーヴニルってあれか? ここに来る前のレインと隊が一緒だったやつじゃないか? 当時、話題になってた…」 「ええ、私達は二人とも特殊でしたから…私は剣だけで、ヴィソーヴニルはフライヤー以外の武装は持たず、炎属性系魔法【術式・爆姫】しか使わない兵で不思議がられてましたからね」 レインは話ながらもルナのほうを心配そうにちらちらと見ている。 「ルナ!!」 「!!」 ライズの声に驚いたのか、俯いていた顔を上げ、ライズのほうを見る。 「ソルがいない場合の指揮権はお前にあるんだ、しっかり全員の話を聞いてこれからどうするか決めろ…いいな?」 「う、うん…」 『(脆いのう…ソルがいなくなっただけでここまで士気が下がってしまうとは…特にこのルナ…これではあいつらの思う壷じゃな…)』
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