第四勢力【ウラヌス】

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ユメがスズランの部屋から出ると、目の前にトールが立っていた。 「どうだ?」 「僕を見て前の【闇贄】の面影を見る事はありますが…思い出せているわけではないようです、全て思い出せなくなるのは時間の問題かと…」 「よし…そろそろだな…」 耳に付いている通信機に手を触れ、通信機から伸びている小さなマイクに言葉を向ける。 『四隊長に伝える…明日零時… 全連合軍に一斉攻撃を開始する』 トールの声はこの基地全体に届き、兵達に作戦開始の時間を伝える。 その人数は各連合軍ともひけをとらない程の戦力…そして【ウラヌスシステム】に適用できる隊長四人と総指揮官トール。 各連合軍から引っ張ってきた豊富な人材と兵力はトールに絶対の自信をもたらした。 『各隊、前もって伝えた軍に攻撃を仕掛けるとともに軍事施設を全て破壊しろ。アイム隊は第二施設にある【ウラヌスシステム】の防衛。 ヴィソーヴニル隊はスカイブルー襲撃後、万が一に備え『魔力限定』装置の防衛、以上だ』 トールが命令し終わり、通信機を切ると、ユメが聞いた。 「何故、『魔力限定』の装置の防衛を?第三空隊は【光巫女】以外全滅したのでは?」 「…念のためだ」 トールはそう言って扉の向こうへと行ってしまった。
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