強襲

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「つま~んな~い!」 ウラヌスシステムの防衛を任されているアイムが兵達に駄々をこねる。 「アイム隊長…トール指揮官の命ですし…」 「じゃあお茶とお菓子!」 「あ、いえ、作戦中ですし…」 「ひ~ま~な~の~!」 駄々をこねるアイムの微笑ましい光景を見て笑う兵や自分達の隊長の姿に不安を抱いている兵もいる。 「誰か襲ってこないかな…」 「いや、不吉な事言わないで下さいよ…」 「ぐああ!」 後ろから聞こえてくる悲鳴。 アイムは嬉しそうに振り返った。 「ありゃりゃ?」 「ほ、本当に襲ってきた…!」 兵達は剣を抜き襲撃者に一斉にかかろうとする。 「【氷結創造】」 パキィン! 一人の兵が剣を振り下ろそうとする瞬間、兵達に魔力が走り、全員が凍った。 「おお…凄い!」 アイムは嬉しそうに拍手する。 そのアイムの前に兵を凍りづけにした張本人が姿を現した。 「仲間がやられたってのに随分楽しそうね…」 兵達を凍らせたのはエリス。 アイムはにこっと笑った。 「第三空隊は死んだって聞いてたのに…皆詰めが甘いな~… 確かあなたはエリスだっけ? 第三空隊に入って間もないのに凄いね~!」 「それはどうも」 「あなたは私を楽しませてくれるのかしら?」 「やられるのが楽しいんですか?」 「あら…勝てる気なんだ?」 アイムの手に炎が宿る。 いや、アイムの手が炎に変わる。 「当然です」 「あはははははははははは!! あなた気に入ったわ!燃やしてあげたい!」 「やれるものなら…どうぞ勝手に…!」
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