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「もうあんたが笑いあえる場所は無いのよ!隊長を無くし、魔力を抑えられたあんた達は私達に敗北する!」
「確かに私は負けるだろうな」
「何…?」
負ける、そう自分で言ってるにも関わらずに余裕の表情を浮かべるレイン。
その笑みには何か狙いが隠されているのか…そんな疑問がヴィソーヴニルから油断と遠慮を消した。
「[戦火の中で笑う姫よ!与えられし名の下に眼前の敵に粛正を!]」
「(まずい!【爆姫】の詠唱!)」
スピードを上げ、ある場所にレインは急ぐ。
その間にもヴィソーヴニルの詠唱は続く。
「[創り出すは幻想の鳥!一の翼で空を焦がし!二の翼で大地を燃やせ!]」
「(間に合う…が…!)」
レインは目的の場所に着く。
その場所は『王城』…そう、軍の本部であり『魔力限定』の装置がある場所だった。
レインは窓ガラスを割り、王城の中へと入った。
「だ、誰だ!」
「ま、窓から!」
入った先には王城を守る為に配置された一般兵。レインは苦い顔で叫んだ。
「全員伏せろぉ!!」
レインは振り返り、簡易の防御壁を張る。そして外の巨大な魔力も頂点に達した。
「【爆姫・不死鳥】」
放たれたその術は王城の壁をいとも簡単に破壊し、レイン達を襲った。
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