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「『変化』…?」
「クリスタルの刀身は『水』そのものなんですよ、基本形態があの氷のような刀身ってだけ…この『クリスタル』って名前も基本形態を見て名付けられたんでしょうね」
「つまり、私を斬れたのは…」
「ええ、液体化させて斬ったんです…やはり水を被れば炎になれないようですね?」
アイムは平静を取り戻し、立ち上がってエリスを見る。
「名前は?フルネームは?」
「…エリス・リフェア」
「覚えておくよ、エリス。
甘く見てた…あなたみたいな新人兵士が古代武器の能力をコントロールして私を斬れるなんてね」
アイムの腕が炎に変わる。
さっきまでの炎とはまるで違う。
散っていた魔力が凝縮され、本物の凶器となる。
「(なんて魔力…!)」
「こっからは本気でいくよ」
先程のように炎となった腕をエリスに向ける。
「『炎撃』」
「!!」
エリスは上にかわす。
さっきまで防げた技に恐怖を感じて。
ジュワァアアアア!
「壁が…!」
エリスが技の当たった先を見ると、鉄の壁が音をたてて溶けていた。
「こっからが本番だよ、エリス!」
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