応える為に。決意を胸に。

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(スズラン…) 名前を呼ぶ優しい声。 「ん…」 (スズラン…スズラン…) 何度も何度も、その優しい声は名前を呼び続ける。 「ん…んん…(この…声…)」 スズランはまどろみの中で聞き覚えのある声の主の名を思い出そうとする。 (スズラン~!スズラン~!) 「だ…誰…?」 次第に声が大きくなっていき、スズランは目を開いた。 (あ、やっと起きた!全く…大きくなっても変わんないね、スズランは!) 「………」 まどろんでいるせいかとも思ったが、そうではなく、スズランは目の前の非現実的な光景が信じられない。 半透明の子供が目の前で浮いているのだから。 (まさか私の顔を忘れたわくじゃないよね?) 問い掛ける半透明の子供の顔をしっかり見て、スズランはその問いの答えを驚きながら口にした。 「し、『シオン』お姉ちゃん!?」 (はい、正解~!) そう、その半透明の子供はかつて死んだスズランの実姉の姿だった。
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