837人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
「幸せの…形…」
「そう、君の望む幸せの形はここにはない…この部屋の外にそれはある」
ユメはそう言うと懐からフライヤーを取り出した。
「フライヤー…」
「誰にも『魔力登録』されてないフライヤーだ…使うといい」
ユメはフライヤーを渡そうとするが、スズランは受け取ろうとしない。
「…外にはもう誰もいません…私のせいで…皆…」
「君のせいで…?なら尚更君は行くべきだよ」
「え…?」
「君の為に死んでいった人達の生きるはずだった人生の幸せを君は手に入れなければいけない…友人、家族…特に家族は君の幸せを願いながら死んでいったはずさ…」
「……」
スズランは黙ったまま…
ユメはそんなスズランに話を続ける。
「そして今、戦っている人達も君の無事を思いながら戦ってるはずさ」
最初のコメントを投稿しよう!