応える為に。決意を胸に。

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『全兵に通達!』 基地中に管制室からの放送が流れる。といっても全連合国襲撃の為に兵をほとんどそっちに傾けており、ここに戦力と呼べる人間は百もいない。 他は給仕や整備などの人間だ。 『【光巫女】がこの基地より脱走した!至急、捕獲せよ!繰り返す!』 「ど、どうやって…!くそ!!」 放送を聞いていたトールも苦い顔をする…そして部屋を飛び出した。 『【光巫女】がこの基地より脱走した!至急、捕獲せよ!!』 「あれだな…!止まれ!」 「追っ手…!」 一番早く出てきた兵と周りの見張りをしていた兵が一斉にスズランに襲い掛かる。 数は十四。手には麻酔銃を持っている。 「止まらないなら――」 キュン、という音に兵の言葉は遮られ、その兵に魔弾が命中する。 「(は、速い…)だが、何も――」 起こらない、そう言いかけた瞬間にその兵は海に落ちた。 「うわ!」 「おい、大丈――」 海に落ちた兵をそこにいる兵達は一瞬、気にしてしまった。 スズランが放つ魔弾と発射速度の異常さに気が付けずに。 「え?」 「うわ!」 兵達は音にすら気付けず、スズランは敵兵と同じ数の魔弾でその場を終わらせた。 「ふ、フライヤーが発動しねぇ!」 「何なんだ一体!」 「あの…!しばらくしたらまた使えるようになりますので!」 スズランはそう言い残し、その場を去っていった。
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