応える為に。決意を胸に。

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「ユメさんから貰ったデータ通りならこっちに【ウラヌスシステム】ってのが…」 「どこに行く、【光巫女】」 「!!」 スズランがユメに貰ったデータを見ながら飛んでいると、前にトールが現れた。 「(こ、こんなに早く追い付かれるなんて…!)私がどこに行こうが関係ないと思います」 「ある。私は覚醒した【光巫女】と【闇贄】の儀式を行う必要がある…それにお前も他の場所に行ってどうするつもりだ?」 「どういう事ですか?」 トールの質問の意味がわからず、スズランは聞き返す。 「他に行ってもお前は一人だ。 確かに第三空隊の人間はソル以外が生きていた…だが、『魔力限定』されている状態では【ウラヌスシステム】の恩恵を受けている隊長達には勝てない…お前はまた一人になるぞ?」 「…そうですね、ユメさんから離れたらまた一人になってしまうかもしれません…」 「なら――」 「でも!」 トールの声を遮り、スズランは声をあげる。強い意志のこもった眼差しをトールに向ける。 スズランは一歩も引かない。 もう何からも引く気は無かった。 「例え私が一人になっても…誰かが誰かを失わないように! この世界に住むみんなが誰も一人にならない為に…最後まで…私は戦います!!」
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