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「それが…敵であってもか?」
「関係ありません、立ちはだかる誰かの為に涙を流す人もいるはずだから…」
スズランの答えを聞き、トールは笑った。
「甘いな…そんな突き通せるはずもない信念を掲げて戦い抜けると思うなよ?」
「戦い抜くんです、もう決めましたから」
スズランはそう言ってスターズを強く握りしめる。
「なるほど、甘いが、決意は本物というわけか…」
「甘いのもあなたのほうです。
本当にソルさんを殺したと思ってるんですか?」
「なに…?」
トールから笑みが消え、今度はスズランが嬉しそうな笑みを浮かべる。
「【光巫女】として覚醒した今ならわかります、【闇贄】の存在が…今いる【闇贄】は二人…片方はユメさん…
なら…もう片方の一際大きい『闇』は誰でしょう?そして二つの闇は同じ場所にいます…【光巫女】に覚醒すると大体の位置がわかるんですね」
「私を動揺させようとしているのか?無駄だ、あいつは確かに――」
「死んだ?本当に?あなた達を破壊し尽くす『闇』は確かに生きてますよ、この空に戻ってきたんです!」
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