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「はい!解いて下がって!」
ルナの合図とともにクラウディアンの兵達は防御を解き、ルナの後方に下がる。
「あ、治癒師の子!名前は?」
「え?あ…『シュンラン』です!」
「覚えておくよ!シュンランちゃん!」
シュンランに手を振り、ルナは改めてレオンを探した。
「え~っと…どこかな~…」
「(完全に限定解除されてちゃったようだね…ヴィソーヴニルのやつめ…)」
「(うん、限定解除できたからもう諦めなさい、私が限定解除したら殺しちゃうからさ!)」
「(何を馬鹿な…!今まで手も足も出なかったお前に何が出来るというんだ…殺すのは僕のほうだよ!)」
それを最後に会話術はきれる。
レオンの言葉にルナは呆れてため息をつく。
「馬鹿だなぁ…私はさっきまでレベル1すら限定解除してなかったっていうのに…」
ルナはイーグルを背中にしょい直し、拳を鳴らす。
「(もらった…!)」
レオンは先程までのように『擬態』で姿を消し、ナイフを抜いた。
そして音もなくルナに突き立てようとする。
「本当に馬鹿だったか…」
ルナがそう言った瞬間、鈍い金属音が鳴る。ナイフはルナに届いていなかった。
いや、それどころか、ナイフは折れていた。
「(ど、どうやって…!)」
「そこか…!」
「(しまっ…!)」
骨の折れる音とともにルナの拳がレオンの胸を撃ち抜いた。
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