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「強いやつだった…家族に会いたい…妹とまた話したいと言っていたのに…オレの為に死んだ…
だから、スズランをあいつの代わりに見守ろうと思っていた…」
ソルは床から手を離し、立ち上がる。そしてユメにこう言った。
「ありがとう、スズランを救ってくれて…お前には何度礼を言っても足りない…」
「見守ると言ってましたが…いいんですか?今、【光巫女】とトールが戦っていますよ?」
「あいつは一人で空を飛んだ…
なら、一人で何をするかを見守る…今は手を出してはいけない…」
「そうですか…」
外を…空を見続けるユメを見て、ソルは口元に笑みを浮かべた。
「お前はこれからどうする?」
「僕ですか?そうですね…この戦いを見届けたらもう生きる意味も特に無いですし…また『スターライトプロジェクト』に利用されないよう自害でもしましょうか…」
「ふむ、お前みたいなやつを失うのは惜しいな…」
ユメの言葉を聞いたソルは呟き、ユメに手を差し出した。
「その命、オレに寄越せ」
「はい…?」
「どうせ捨てる命ならオレに寄越せ…その命、オレや第三空隊の為に使ってみないか?」
「………」
ユメはソルの顔と差し出された手を交互に見て、苦笑いを浮かべた。
「これは逃げられそうに無いですね…」
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