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「【雷弾・操】」
ミョルニルから五発の雷の弾が放たれ、スズランに向かう。
「(これなら…!)」
スズランは高度を下げ、それをかわす…だが、その瞬間、トールがミョルニルをスズランのほうに向けた。
「!!」
「甘い…」
すると雷の弾は方向を変え、スズランに再び向かってきた。
「く…!【光弾】!」
スズランは海面ギリギリまで高度を下げながら雷の弾に自分の魔弾を放った。
「……」
トールは自分の術がスズランの魔弾で相殺されるところを真剣な眼差しで見つめる。
「ラスト!」
最後の雷の弾が相殺された時、トールの目が見開かれ、頬を汗がつたう…
「そういう…ことか…」
「え…?」
トールが呟いたその言葉の意味がわからず、体勢を立て直しながら聞き返す。
「覚醒した【光巫女】がこんな能力かあるとはな…ソルはこれも知っていたのか…
それとも知らずに入れたのか…」
「(まさか…ばれた…?)」
スズランの頬にも汗がつたう。
ばれないでいて欲しいとスズランは頭の中で祈る。
スズランのこの能力は今のスズランではどこまで見切られたかによっては勝機を失ってしまうのだ。
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