837人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
「イヴ」
トールが離れたのを確認し、ソルはイヴに話しかける。
《何?》
「やはり無理か?」
《ええ、やっぱりこれじゃあ無理ね…》
「そうか…」
ソルは残念そうにため息をつき、トールのほうを見る。
「やはり普通に倒すしか無いか…」
《何で?駄目なの?》
「これ以上はここらの生物に影響が出る可能性がある…極力使いたくは――」
話の途中で雷の槍が飛んでくる。
トールの術だ。
「無いからな、このまま倒せるならそれに越した事はない」
《まぁ、そうね》
「オレが吹き飛ばされてる間に何か相談か?」
トールが距離を保ちながらそう聞くと、ソルは適当に返した。
「ああ、たいした事じゃない。
お前をこのまま倒してしまおうというだけだ」
「余裕だな」
「まぁな」
「いつまで余裕でいられるかな?」
トールはそう言うと、ミョルニルを天に掲げた。
最初のコメントを投稿しよう!