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「怒ってるぞ」
「だろうな!」
ライズが大成功といわんばかりに笑っていると、一羽の鳥がソルの立つ窓のへりにとまった。
「お、鳥…」
「オレの近くに止まれるとは…
なんて鈍い鳥なんだ…」
(ありがとう)
「ん?」
《なに?》
ソルとイヴの耳に誰かの声。
ライズは二人の様子を見て聞く。
「…どうした?」
鳥はすぐに飛び立った。
「聞こえなかったか?」
「…まぁ、今飛んでった鳥が鳴いたのは聞いたけど…それが?」
「いや、何でも…」
《そうね、何でもないわ》
そう言ってソルは微笑んだ。
「今の声は…?」
タオルをアイムとエリスに渡そうとしたユメの手が止まる。
「どうしたの?」
「あ、すいません、何か聞こえませんでしたか?」
「え?まぁ、鳥の鳴き声は聞こえたけど…あ、あの岩に止まってるやつじゃない?」
エリスが指差すと、岩の上にいた鳥は空へと飛び立っていった。
「どうかしたんですか?ユメさん?」
飛び立った鳥を見つめ続けるユメにスズランが不思議そうに聞く。
「いえ、何でも…」
ユメはそう答えて優しくスズランに微笑んだ。
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