募る、膨らむ

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「良かった・・・って?」 「いやな、昨日、莉緒を紹介してくれって成瀬の奴に頼まれたんだよ。 男いたらさすがに紹介してやれねぇから、良かったなって。」 「紹介・・・?成瀬・・・?」 「覚えてねぇ? 莉緒のシャンプーとカラー担当した奴なんだけど。」 「・・・あぁ、あのスッキリした感じの・・・」 「そうそう。アイツ、莉緒と仲良くなりてぇんだってよ。 男前だし、いい奴だし、莉緒がいいなら会ってやってくんねぇかな?」 「・・・」 さっき好きだって気付いたばっかなのに。 やっぱり気付かなきゃ良かったな。 あたしの周りだけ急に空気が薄くなったみたいに、息苦しくなった。
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