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橘さんはひたすら無表情で、感情は読み取れない。 ただジッと、貫くような視線であたしを見てる。 ・・・どう答えるのが正解? 真面目な顔して、「本気です。あなたが好きです。」って肯定するのか おチャラけて、「冗談に決まってるじゃないですか!やだなぁもぉ!」って否定するのか あたしはうまく回らない頭をフル回転させて、とにかく考えた。 考えて考えて、覚悟を決めて、橘さんを見据えた。 「本気です。 ・・・橘さんが好きです。」 人を好きになる経験にはめっぽう乏しいあたしだけど、橘さんを想う気持ちは本物だと分かるから。 自分を守る事よりも、本気でぶつかる事が大切だと思った。 だから、砕け散るなら、カケラも残さず砕けよう。 全部ぶつけて、散ろう。
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