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サアァー
梅雨の季節、じわじわと湿気と熱に侵される。
先程から降り続いている雨のせいだろう。
汗で張り付くシャツにいらついて、栄治郎はシャツを脱いで大の字に寝た。
狭いアパートには栄治郎独り、親兄弟はすでに他界してしまいこじんまりと暮らしていた。
そんな栄治郎に、一冊の日記が届いた。
B5サイズのノートには女性の文字でつづられていた。
「……暑い、やっぱりもうちょっとましな所にすればよかったかな。」
ぶつぶつと文句を言いながら、そのノートを開いてゆく。
人の日記を見ることに抵抗感じないのは僕の悪い所だろうか?
まあ、どちらにせよポストに入っていた物だし。と、開き直って日記を見つめた。
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