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「離れてもあなた達は兄弟よ」
泣きじゃくる俺達に義理の母は優しく言った。
「だから大丈夫よ」
大人の都合で終わってしまう俺達の楽しい日々。
毎日遊んで、駆け回った。
「ママたち離婚するの。
だからお別れなのよ」
意味がわからず首を振る俺達を、母は優しく抱きしめる。
「僕達、もう会えないの?」
最愛の弟は、頬に一筋の涙が伝わせ、母に似たつぶらな瞳で俺を見た。
「絶対に忘れないから…また合おうね」
俺は弟を抱きしめて、安心させるように約束した。
「絶対に会えるよ…」
それが俺と最愛の弟との最後の思い出だった。
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