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「これでお前も彼女持ちってか?」
俺の向かいで賄い(まかない)を食べていた内田が冷やかした。
「本当に彼女だったりして?」
内田が探るように俺の目を覗き込む。
「違う。
後輩と温泉行くだけ」
「後輩かぁ~女?」
「…男だよ。
いいだろ、もう」
俺はしつこい内田に邪険に言うと、食器を持って厨房に向かった。
どうして他人の色恋にみんな関心があるんだろう。
もし楓をこの店に連れてきたら…
「絶対に勘違いするな…」
楓は、パッと見は女の子に見える。
惚れた欲目を抜きにしても、可愛い。
店長達の反応を想像し、絶対に連れてこないようにしようと心に誓った。
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