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「先輩…今日も一緒に寝てくれる?」
俺が風呂から上がると楓がワインを飲む手を止め、聞いてきた。
「もちろんいいけど…何かあったのか?」
いつもは勝手に潜り込んでくる楓が、お伺いを立てるのは珍しい。
「ううん。ただ…
いつも悪いなぁ…と思って」
「バカだなぁ…そんな事、気にしなくていいよ」
ワインで潤んだ瞳を、直視できず目を逸らした。
最近、楓に向かう気持ちが高まって仕方がない。
悟られないように必死に平常心を保った。
「楓…もう寝るか?」
「俺…先輩と出会えてよかった」
「楓?」
やっぱり酔ってるのだろうか。
熱に浮かされたように楓は俺を見つめる。
心配になって楓の肩に手を掛けると、華奢な体が俺の胸に倒れてきた。
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