83人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
居酒屋を出たサークルの面々は二次会の相談を始めた。
「じゃあ俺は帰るから」
仲間と談笑している関根に声をかける。
俺には二次会に行くような、バイタリティーは持ち合わせていない。
「おぅ、じゃあな!」
長い付き合いの関根は、俺の性格を知り尽くしている。
良い意味でクール。
悪い意味で愛想のない俺は、本当に気心の知れた友人としか人付き合いが出来ない質(たち)なのだ。
俺は手を振る関根に、片手を上げて応えると、きびすを返した。
花の金曜日、軒を連ねる居酒屋からは、笑い声が絶え間なく聞こえる。
数歩進んだ所で、ふと、路地の方から言い争うような声が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!