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骸が(他の奴らなんてどうでもいいよ)出て行ってから、何時間が経っただろうか……
もう、空も夕暮れに変わり、外では木々が北風に揺られている
「……かえろ」
今日は、仕事に集中できそうもないし
ガチャ、とドアを開ければひんやりとした風が入ってきた
そして、ドアのすぐ横に小さな、小さな、ナッポー頭が……
「……骸?」
よく見たら震えている小さな体
抱き上げた体は、すごく冷たくて、軽くて
顔を見れば涙に濡れていた
「骸……」
「ごめ、なさ……っ、ぼく、きら、じゃなぃ、からぁ……っ」
「……」
「きら、ならな、でっ……!!」
泣きじゃくりながら話す骸
どれだけ、僕が出てくるのを待ってたんだろう
こんなに震えちゃって
冷たくなって
「君ってほんと、バカ……!!」
力強く抱きしめた
ごめんね、もうあんなウソは吐かないから
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