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「はぁ…はぁ……はぁっ、くっ」
追われていた。“死”と呼ばれるソレは、スルスルと影のように忍び寄ってくる。
「ちっ、速いな」
悪態をつきながら、俺は物陰に滑り込む。
(ったく、なんでこんなことに…)
息を整えながら後悔する。こんな戦いに足を踏み入れてしまった事と、
そんな運命を背負って、生まれてしまった事に…。
(くそっ、逃げられそうにないな。)
“敵”の気配は刻々と近づいてくる。
…もう、余裕はない。
「………」
俺は、軽く息を継いで、
“敵”に向かって、駆け出した―。
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