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「まずいよ!先生、みのりさん達を助けなきゃ…!」
瓦礫の山の崩れた鐘楼の上から戦いの行方を見守っていた★SWATが、みのり達が黒蛸の音波攻撃で倒れていくのを見て慌てて飛び出そうとする…が、背後から誤先生に襟首を捕まえられた。
「何で…!」
きゅー!とポケットのビートラクーンも抗議の声を上げる。
「僕らが行ったところで、どうにもならない…!」
誤先生は首を振って答え、メリルを振り返って言った。
「メリル!さっきの話は本当なんだな?」
「ああ…。ボクの魔法なら出来ると思う…。だがそんなことをすれば…!」
「失敗すれバ取り返しはつかないんだゾ…?」
ペーターですら不安を口にしたが、といって他に良い代案があるわけではなかった。
「出来るなら構わない。いくぞ…!」
誤先生は一人頷くと夢で教えられた通り呪文を唱え、天を仰ぎ魔力の限りに念じた!
「開け!箱舟の扉っ!」
瞬間、明けたばかりの青空が暗転しまるで絵画のように凍りついた。
メリルや★SWAT、足元のビートラクーン、瀕死のグレゴリィやカビビ達、襲いかかる黒い巨大な魔物…そこにある空気に至るまで全ての物が色を失い石像のように白く固まっていた。
「…!?」
驚く誤先生の目前の空間にピシッとヒビが入り、パリン、と音がして…空間が、ガラスのように“剥がれた”。
剥がれた空間の内側は、薄暗い棚が並ぶ、穴蔵のような場所へと繋がっていた。
誤先生が中に入ると、奥の明るいカウンターの上に小さなネズミが飛び跳ねているのが見えた。
「待ってたでやんす…誤先生!」
ネズミはしてやったり、という顔をした。
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