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松明を手に暗い下水管をバシャバシャと駆けるが、背後からはうめき声のように恐ろしい触手が身体を引き摺る音が響いていた。
ともすれば恐怖に足がすくみそうになるが、その度にポケットの中のラクーンが主人を見上げて勇気をくれる。
「きゅーん…。」
必死に走り続ける先に、下水道の分岐点が見えた。
「あと少し…!」
その時、★SWATの足に太い触手が絡み付いた!
「うわっ!」
「きゅっ!」
触手が★SWATの身体を捕まえ逆さまに縛りあげる…!
「は、離せ…!」
ズルルル…
闇の中から触手の塊が姿を現した。
見る間に触手が寄り固まり人の似姿を作り出した…!
『先ホドノ金貨ヲダスノダ…小僧…!』
ヒュン!と音がして★SWATを捉えた触手、人の似姿、本体と弾け飛ぶ!
バシャっと下水道に落ちた★SWATが魔物の背後から矢を放つみのりの姿を振り返る。
「みのりさん!」
「行きなさい!」
頷くと★SWATは分岐点へ駆け出した。
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