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『てか、なんで俺なの?』
「えっ」
『あっ、いや、話した事ないよね?俺の何がよかったのかな?って思ってさ』
一目惚れなんて言ったら引くよね?
そぅ思ったあたしは嘘をついた。
「友達が薫さんの事いい人だって言ってて気になって指名したんだ」
『へぇ~。なんて子?』
「言ってもわかんないと思うよ」
『そっか。仕事は?どこの店で働いてるの?』
「えっ?」
なんで?
確かにホストに行ってる子は夜の仕事してる子が多いかもしれないけど決めつけないでよ。
でもこの時のあたしは夜の仕事をしていないことが恥ずかしくて嘘をついた。
「昼は事務の仕事で夜は週4ぐらいでキャバクラ行ってるんだ」
『へぇ~。昼間も夜も働いてるなんて偉いねぇ』
「そんな事ないよ。毎日退屈だもん。だけどHardにきて人生変わったって感じ。薫さんにも会えたし」
『そぅ。曖はどんな人がタイプ?』
「薫さんみたいな人かな」
『ホントに?ホントだったら嬉しいな』
「ホントですよ」
そんな話をしているうちに時間になってしまい帰ることにした。
車まで行く間ずっと手を繋いでくれた。
「送ってくれてありがと」
『こちらこそありがと。楽しかったよ。また待ってるからね』
「はい」
車に乗ってドアを閉めようとした時突然薫に腕を捕まれア然としているあたしに…
チュッ。
『バイバイ』
と言って店に帰っていってしまった。
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