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あたしは運送会社の事務の仕事をしていた。
毎週日曜日しか休みがなくキツイと思うこともたくさんあった。
だけど翔も昼間の仕事してたからお互い仕事が終わる時間が一緒で電話しながら帰っていた。
そして土曜日夜Hardに行くことがなによりの楽しみで辛い仕事も頑張れた。
Hardに行くようになって2ヶ月。
今日もあたしはオシャレをしてなおと一緒にHardに行った。
「こんばんわ」
あたしが元気に挨拶をすると退屈そうにカウンターに座っているまさが手を振ってくれた。
『あいかわらず曖となおは元気だねぇ』
「まさはあいかわらずやる気ないねぇ」
笑いならがあたしが言うとまさは笑ってくれた。
席に着いてからもみんなで楽しく騒いでいた。
そんな中会ってしまった。
無邪気な笑顔で楽しそうな彼をあたしはいつの間にか目で追っていた。
「ねぇ翔。あれ誰?」
あたしは彼を指さして翔に聞いた。
『あの人は薫さんだよ。俺の教育係なんだ。』
「へぇ~。そうなんだ」
ねぇ薫。
知ってる?
あたしは薫くんに一目惚れしたんだよ。
あんなにたくさんの人がいたのに薫くんだけしか目に入らなかったんだ。
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