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「はぁっ………っ」
長い長いキスが終わる。
口から溢れ出した唾液が口元を伝い落ちる。
「イギリス………」
「アメリカ?」
「イギリス、好きだよ」
改めて言われたので、自分の顔はキスの火照りも混ざり更に赤くなった。
「イギリス………?」
「俺もだ」
またさっきと同じように短く答える。
「え?なに、もう一回」
「っ!てめっ、聞こえなかったのかっ!?」
「えー、だってイギリス、君の声が小さくて聞こえなかったんだよー」
「くっ……。……………俺もだ、って言ったんだよっ」
二度、いや、正確には三度同じことを言うのは流石に恥ずかしい。
なのに。
「え?なになに?なんて言った?今」
…………くそっ。絶対聞こえてるだろう………。
「もう言わねぇっ」
「えーっ!そんなぁ。イギリスッ、もう一回、もう一回でいいから『俺もだ』って言ってよー」
「聞こえてたんじゃねぇかよっ」
俺はアメリカに怒りをぶつけながらも、行くぞ、とアメリカの手を掴んで歩き出した。
これからも、ずっとこうしていられたらどんなに幸せだろうか、と思いながら。
end.
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