11人が本棚に入れています
本棚に追加
『家族』
大好きな君の部屋で、大好きな君との時間を過ごす。
私は読書をしていて、その向こうで彼は勉強をしている。
ここにお互いが居る。
何よりもその時間が愛おしい……
言葉よりも態度よりも君の存在が全て。
いつの間にか当然になったこの距離が、ずっと続くのもいいかもしれない。
「そろそろ、夕飯作ろうか?」
いつものように、私が立ち上がる。
彼は、変わらず勉強に集中しているようだ。
これもいつもの光景。
変わらない。
それでいいと思っていた。
「なぁ、俺たち家族にならないか?」
不意打ちだった。
ぶっきらぼうに、彼は視線を上げることなくそう言った。
気がつくと、私は思わず彼に飛びついていた。
うん。そうだね。
家族になろう。
最初のコメントを投稿しよう!