病室にて

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 俺はただ。  黙って、彼を…見つめていた。  整った顔を深く裂いた刃物の痕が、包帯の下には隠れているのだろう。 右目から左頬まで、重ねて巻かれた白いそれ。  そっと、指でたどってみる。  さらりとした感触と、消毒液の香りを感じた。
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