45人が本棚に入れています
本棚に追加
そこで、やっと息を整えたのかと思ったら、また声を荒げる天の声。
『もう! 全く最初のミステリアスな雰囲気が台無しだよ! とりあえず君には今から行って貰うところがあるからよろしくね。んじゃ行くよ? えい!』
少年の掛け声と共に、なにか棒の様な物を振った音がきこえた。
そして次の瞬間、大和の足下に丸い印の様なものが光と共に出現する。
それと共に、七色の光が煙の様に吹き出す。
「おい、勇治! なんだよ、これ!」
光の円に足踏みを繰り返しながら、空に向けて怒号を飛ばす大和。
どうやらその丸い円を壊そうとしているようだ。
だが、そんなヤマトの行動を嘲笑うかの様に、輝きと七色の煙の放出を止めない光の円。
そこで天の声の主も、微笑みながら口を開く。
「フフフ、無駄だよ。その魔方陣はちょっとやそっとじゃ壊れない。ましてや、君みたいな普通の人間なら尚更ね」
その言葉を聞いた大和は、真剣な顔つきで正面を向く。
そして、凄まじい掛け声と共に魔方陣の外に出るべく駆け出す。
最初のコメントを投稿しよう!