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ジャングルの不気味な雰囲気に肩を震わせながら、さっき拾った桃の様な味がするピンク色のバナナを頬張る。
因みにこのバナナは、脳天に直撃し大和を夢の世界から帰還させたスーパーバナナだ。
拾った時、木の上から真っ黒の毛をした猿の様な生き物がバナナを凝視していた。
だが、お構いなしに食べたところうるさく喚きながら森の奥に帰っていったという出来事があった。
物凄い罪悪感があるが、二度と会うことはないと思うのでとりあえず心の中で謝罪して歩みを始めた、というわけだ。
――そして歩き始めてから数十分。
やっとジャングルの雰囲気に慣れて、足取りも軽快になってきたところでハプニングが発生する。
斜め前約三十メートルの茂みが勢いよく揺れたのだ。
猛獣と遭遇の様なトラブルには極力出会いたくないので、無視して先に進もうとするがまた勢いよく揺れる。
だが、大和も無視を続ける。
気のせいだろうか、妙な音まで聞こえる。
ひとつは枝が折れる音。
ひとつは鳥が羽ばたく音。
そして最後のひとつはなにかの足音。
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