未知

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 ――さっきの場所から離れて颯爽とジャングルを駆け抜ける大和。 「ま、逃げるが勝ちってやつだな。それにしても気持ちいー、俺風になっちゃったよ」  うっとりとした表情を浮かべながら両手を広げて天を仰ぐ。  だがそんな状況でも大和は、しっかりと木々を回避する。どうやらさっきの出来事以来脚力は勿論、動体視力や聴力以外の五感も異常な発達を遂げた様だ。 「ん? 何だこれ?」  急に止まったかと思えば自分の足を見て首を傾げる。  その目線の先には右足首にすっぽりと納まった赤い透明のアンクレット。  指で弾いてみると、金属の様な甲高い音ではなくどちらかと言えば少し低めで、水晶の様な印象を受ける音だった。 「これ…………カッコいいかも」  またうっとりとした表情を浮かべながらまじまじとアンクレットを見つめる。  だが、そんな自分ワールドに入っている大和の耳に聞き覚えのある音が入ってくる。 「……? 足音?」  重量感のある音が一定のリズムで響く。  だが、さっきとは違う点があった。 「……!? これは……走ってるのか? しかもなんだこの数、四方から聞こえる」
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