未知

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 ボードの先端を地表に向けたかと思えば、突然の急降下。  そして地面スレスレの所で先端を起こしボードを水平に切り替えバランスをとる。  その瞬間、ボードの裏側から七色の光が煙が噴き出す様に一気に放出され、その光を推進力にするように凄まじい速度で地表数センチを滑空する。  放出された七色の光が消えた場所には、小さく輝く粒子の様なものを無数に出現させる。 「す、すげえ……ダイヤモンドダストみたいだ……」  その余りに神秘的な景色に感嘆の声をあげながら、口を開けてそこに立ち尽くす大和。 「ぼーっとしないで!」  大和から見て、もう前方約二十五メートル付近まで接近してきている彼女は呆けている大和に対して大声で怒鳴る。  その声で我に戻った大和は、ボード乗りの少女向けて勢いよく駆け出す。  そして彼女との距離が数メートルに達した所で大和は自らの足に急ブレーキを掛け、手を伸ばす彼女の向けて勢いよく跳躍する。  彼女もよくやったと言わんばかりに口を緩ませ大和の手を掴む。  そして勢いよく引っ張り上げ大和を自分のボードに乗せ、また先程の様な凄まじい量の光を放出して大空向けて飛翔する。
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