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爽快な音をあげながら一気に上空まで飛翔するボード。
だが本来二人乗りではないのか、先程の半分ほどの速度しか出ていない。
「あの……ありがと、助けてくれて」
少女の肩を持ちながら控え目な口調でボソッと呟く大和。
因みに少女と言っても背は大和の鼻あたりまである。
だいたい一メートル六十五センチと言ったところか。
だがその少女は先程からそっぽを向いたまま全く喋ろうとしない。
(気難しい性格なのか?)
大和の脳内会議は彼女の性格をそう判断し、大和自身も黙り込む。
だがその時、風切り音の様なものが大和の耳に届く。
「おい、なんか聞こえねえか?」
問い掛ける大和だったが、彼女の返事は無し。
どうやら彼女には聞こえていないようだ。
「おっかしいな~」
だが確かにしっかりと聞こえてくるこの音。
その正体を確かめるべく辺りを見渡す。
そして三時の方向を見た時、大和は声をあげる。
「な、なんだよあれ……」
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