出会い

2/13
前へ
/49ページ
次へ
カウンターだけの、ほんの15人程座ると満席になる小さな店。 それでも、毎日満席状態だった。 8時から1時までが、私の勤務時間だった。夫の弟が、転がり込んできていたので、帰りは毎日迎えに来ていた。 金髪のリーゼント。 頭の悪さが、その容姿から垣間見えた。 ガリガリにやせ細り、いつも目は虚ろで、話の辻褄が合わない。明らかに薬やってるなって分かる。 兄貴と同じで、仕事を見た目で決める。 働かないくせに! 大嫌いだった。 家に帰るのも嫌だった。息子を置き去りにする事が何より辛かったけど、私が働かなければ生活が出来ない。 毎日を必死に生きた。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加