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「それではソフィア、お願いします。」
そう言われ頷くとソフィアは地面に手を翳した。
すると、地面から青白い光とともに魔法陣が浮かび上がり、黒い扉が形勢されていく。
やがて、光が弱まり消えると扉はゆっくりと開いた。
扉の向こうは何も見えない、なんとも形容し難い暗闇とも、光ともつかない世界が広がっている。
「さぁ、行きましょうか。」
ソフィアはそう言うと、扉の方へ一歩踏み出し振り返る。
クレアは動こうとしなかったが、メデューサが一度優しく抱きしめその後扉の方へ背を押すと歩き始める。
そして、差し出されたシンの手を握り、扉の中へと足を踏み入れた。
クレア達が入ると扉は静かに閉まり始める。
クレアは振り返り閉まっていく扉の向こうで優しく手を振る1人の女性を見つめていた。
扉の向こうからクレアを見つめる瞳はとても優しく慈愛に満ち溢れていた…。
「…愛していますよ。2人共…。」
既に消え去っていたが、扉があったはずのそこに彼女は語りかける様に呟いた。
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