プロローグ

4/4
前へ
/282ページ
次へ
 数日後――― 地の果ての一画に、 7人程の人影があった。 彼らの中心には、美しい女性の亡骸が静かに横たわっている。 そして、傍らには泣き崩れる女性と立ち尽くす青年と5・6才の少女、数人の白いローブを纏った者たちが佇んでいる。 母の亡骸を見つめる少女は無表情だったが、虚ろな瞳は哀しみの色に染まっていた…。 その瞳から一粒、零れ落ちた雫が少女の頬を伝う。 灰色の空と大地、風もなく、時が止まったような静寂の中に、女性の悲痛な鳴咽だけが聞こえていた―
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

612人が本棚に入れています
本棚に追加