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数日後―――
地の果ての一画に、
7人程の人影があった。
彼らの中心には、美しい女性の亡骸が静かに横たわっている。
そして、傍らには泣き崩れる女性と立ち尽くす青年と5・6才の少女、数人の白いローブを纏った者たちが佇んでいる。
母の亡骸を見つめる少女は無表情だったが、虚ろな瞳は哀しみの色に染まっていた…。
その瞳から一粒、零れ落ちた雫が少女の頬を伝う。
灰色の空と大地、風もなく、時が止まったような静寂の中に、女性の悲痛な鳴咽だけが聞こえていた―
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