ある日の午後

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「なるほど…。  そんなことが…。」 青年はソフィアの話が終わると呟いた。 「しかも彼女の魔力コントロールは一流だ。  此処の防壁など有って無いようなものだ。」 ソウルも付け足す。 「…。  …ところで、あの少年は何者なんですか?」 青年は思い出したように聞いた。 すると、 「そうねぇ…。  強いて言うなら凄腕のコントラバス奏者かしら…。」 ソフィアは意味深な笑みを浮かべ言った。 「…コントラバス奏者ですか?  ………!!  …もしかして、『戦場の演奏者』?!」 青年は今日何度目かも分からない驚きの表情をしている。 「さぁ、どうかしらね~。」 そんな青年をソフィアは面白そうに眺めて言う。 そして、ふとデスクの時計に目を向け…、固まる 「……!!!  きゃーっ!会議忘れてたぁ!!  ソウル!  あなた本当は私を呼びに来たんじゃないの?!  ~~っ、時間ない!!  行くわよっ。」 そして、慌ただしくソウルを連れて部屋を飛び出して行く。 …あとには、固まったままの青年だけが取り残されていた…。
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