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「はい」
突然、彼女の白くて綺麗な手が僕の目の前に出てきた。
何かを『ちょうだい』ってしてる手。
はっ、まさか口止め料を取ろうって言うのか?
幾ら何でもそれは酷すぎる。
一応クラスメートで一応幼なじみなんだぞ?
「……何ぶつぶつ呟いてんのよ」
「いや、手持ちのお金がそんなに……」
困る僕を見て、白雪は何故かおかしそうに笑った。
「お金じゃないって。きび団子、くれないわけ?わざわざ鬼退治付き合ってあげるっていうのに」
僕はポカンとしながら、白雪の言葉の意味を必死で理解しようとした。
「……あ」
彼女も大きな鞄を持っている事に気付いたのは、それからすぐ後のこと。
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