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「おっせーよっ!」
こいつは国岡 祥司。一応、私の彼氏だ。祥司は男のくせに時間に細かい。付き合って5年になるが、ずっと同じ文句を言われてる。
「ごめーん!目覚ましが鳴らなくて。」
もちろん、嘘だ。
「お前は女のくせに、時間にルーズだ。」
聞き飽きた台詞だ。しかし、女のくせにってのはカチンとくる。
「祥司は男のくせに時間に細かいんだよっ!」
ずっと変わらない挨拶だ。
「きーは、いつになったら時間を守れるの?」
市川 紗希。私の名前。祥司は「きー」って呼ぶ。
「次からちゃんと守るよ。」
「いっつもそれだ。次から。きーの次っていつだよ!今日はデートだからいいけど、これが授業参観だったら悲しい思いをするのは子供なんだぞ!」
祥司はいつもこうだ。結婚式だったら恥かくのは親御さんだ。新婚旅行だったら後悔するのはきーだ。
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