命日

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今から約8時間前。 日曜の昼下がり。太陽の優しい光と子供達のはしゃぐ声。 ピリリリリッ!ピリリリリッ!ピリリリリッ! 穏やかに空気を壊すように携帯電話が鳴った。 「ふぁあ、もしもし。」 「ふぁあじゃねーよ!11時に駅前って約束だろ!寝てんじゃねー、ボケッ!」 はっ、として目が覚めた。 「えっ、今何時?」 「もう12時過ぎた。」 「ちょ、ごめん!すぐ行く!」 女の朝は忙しい。どんなに急いでも30分以上はかかる。 あ、もうっ!絶対、怒られる! 自分なりに恥ずかしくない程度に化粧をし、家を飛び出した。 あいつは男のくせに時間に細かい。 バスに飛び乗り、駅前についたときには13時を過ぎていた。
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