部屋

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 バタンッ!  激しく玄関が閉まる音。今日もやってしまった。美紀が涙を浮かべて俺の部屋から飛び出した。いつものことだと、俺は追いかけない。どうせ、一、二時間もしたら、ケロッとして帰ってくるのだ。  美紀と付き合ってどれくらいが過ぎただろう。たくさん喧嘩をしてきた。だけど、それ以上にたくさん楽しい思い出を重ねてきた。振り返れば、ここ数年、ほとんど毎日を美紀と一緒に過ごしていた。一緒に住んでいるんだから当たり前か。  ふとカレンダーに目をやると、一箇所だけ、花丸の印が付いている。俺はカレンダーに書き込みなんかしないから、きっと美紀が書き込んだのだろう。  よく見ると花丸が書いてある日付は今日の日付。三年目の記念日。すっかり忘れていた。
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