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「あっ……」
アパートの前で立ち止まる。俺の部屋に明かりが付いている。美紀?
俺は急いで自分の部屋へ走り、ドアを思い切り開けた。
「美紀!?」
部屋の中に美紀の姿は見えなかった。そういえば、電気を付けっぱなしで部屋をかけ出たんだったっけ。俺は玄関に呆然と立ち尽くす。馬鹿な俺。玄関のドアが自動的にガチャリと無機質な音を立てて閉まった。
この部屋、こんなに広かったんだ──
二人でいる時はあんなにも狭かった部屋。美紀がいなくなった部屋はひどく広かった。広く、そして、寂しかった。
涙が再び溢れてきた。涙を流すのがこんなに辛い時なんて考えもしなかった。俺は美紀にいつもこんな想いをさせていたのかと思うと、心臓が締め付けられる。涙が頬を伝う。
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