出会いの春

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俺は一人で高校の入学式に向かっている。 友達がいないわけじゃない。 家の場所が違うだけ。 「おっ!シンじゃん! おはよっ!」 と横の道から現れ、声をかけてきたのは矢上昇(ヤガミノボル)。 見た目はチャラ男。海とかによくいそうでノリのいい奴だ。 俺の数少ない親友で悪友でもある。 「………おはよ。」 「なんだなんだ? 入学式だってのにテンション低いぞ?」 昇はニヤニヤ笑いながら俺の肩をバシバシ叩いてくる。 「痛いっつの! ………また先輩とかに喧嘩吹っ掛けられたり、意味わかんねぇ女が寄ってきそうで嫌なんだよ。」 俺は昇の手を叩き落とし憂鬱になりながら言った。 「あ~シンはモテるからな。 喧嘩強い、ルックスはいい、運動はできるからなぁ。 ………うらやましいぞ?」 昇は俺の横を歩きながら周りを見て笑いながら言った。 イライラするな。こっち見てんじゃねえよ。
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