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手紙の内容は―――
『Merry Christmas 百花。
25日、早く俺に逢いに来て』
これだけが書いてあった。
「わざわざ手紙って…兄ちゃん礼斗に会って何か聞いてないの?」
今は携帯電話という立派な連絡手段があるのだ、明日のことなら電話でもいいのに…
「渡されただけで何も聞いてない。アイツの考えがあるんだろ?大人しく乗ってやれよ」
そうだよね…わざわざ手紙にして伝えるあたり何かありそう。
文句言ってないで、礼斗の指示通り逢いに行きますか。
「…って、逢いに来てって、礼斗の家に行けばいいのかな?」
「それ以外に何処に行こうとしているんだ、モモは?」
「だよね~」
クリスマスにって以外
何の指定もない。
時間も場所も書いてない。
「…うーん。早くって事は早い時間にってことかな?午前中には行ったほうがいいのか…どう思う、兄ちゃん?」
栄子も泣き止んだので、忘れ物を取りに部屋に行こうとした所を再び話を振られて充が驚いている。
ごめんね
まだ終わってないんだ。
「俺よりモモのほうがアヤのこと知ってるだろ…思った通りに動いていいんじゃないか」
そうだよね…
何にも書いてない所がまたワクワク感が出てて良いと思う。
現に今、すごくワクワクして
明日が楽しみだ。
いつも思うけど、礼斗は私を
楽しませるのが上手いよね。
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